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<Destiny 2> 黒幕はサバスン?<考察>

以前レイドに行ったとき、ストーリーについてメンバーと話していたのですが、ある人が「黒幕はサバスンっぽいよな」と言っていました。気になったので調べてみました。孤独と影に絡めるので、前回の記事を合わせて読んでいただいたほうが良いかと思います。

 さてサバスン黒幕説です。サバスンといえば、私はDestiny2で初めて名前を聞きました。おなじみタエコ3さんが登場するストライク『サバスンの歌』です。まずはこのストライクのおさらいをしましょう。

 

ストライク『サバスンの歌』

 

事の発端はカバル大戦。シティが進撃され、ヴァンガードは散り散りになりました。ザヴァラ司令官を始め、一部のガーディアンはタイタンに避難。黄金時代の施設があるとのことで行ってみると、そこはびっくりハイヴの巣でした。ハイヴの巣を調査するためファイアチームを派遣してみると連絡が途絶えます。そこで再認可されたストライク作戦により主人公が救出に派遣されます。そこにガーディアン達の姿はなく、そこにはタエコ3という生き残りのガーディアンの声と、元ガーディアンであったらしい、紫色に煌めくボイドクリスタルだけでした。

 

タエコ3曰く「太古の神がタイタンに降臨しようとしている」。どうやらハイヴはガーディアンから作ったボイドライトを用いて儀式を行っていたようです。この儀式に用いられていたのがサバスンの歌でした。ところが儀式を止めるために利用できそうなボイドライトはありません。そこでタエコ3は自らを犠牲にクリスタルを作り、主人公がその意志を継ぎサバスンの歌の撃破に成功。太古の神の降臨を阻止することになりました。

 

イオのアドベンチャー『予想外の客」

 

私自身これには最近の火種で気が付きました。過去にプレイしたはずなのですが、覚えてませんし、この頃は今ほど深く世界観について考えてませんでした・・・。

 

イオにおいて宿りのポータルを発見。過去にドレッドノートで見られた物と特徴が一致しており、どうやら危険なものらしいとポータルを封じることにします。そのポータルの先には宿りの世界が広がっていて、新たな脅威がこちらに来ようとしているとのこと。なんやかんやでポータルを封じますが、ギリギリアウトだったのか、何かがこちらへやってきます。ポータルから現れた宿られたウィザードを倒すとイコラ。「何者かがオリックス玉座を受け継いだ」

 

このウィザードの名は「イラズ・サバスンアイ」ここでも出ました、サバスン。驚きました。「おもっくそ黒幕が暗示されてるやんけ」と。サバスンの目という意味だと思いますが、平たく言えば偵察兵のようなものでしょう。地味に、だが明らかにサバスンの存在が太陽系にを落としています。次は、宿られた兵が何であるかについてです。

 

宿られた兵って何?

 

Destiny2からのプレイヤーは発端を知らないかと思います。宿られた兵という勢力は、Destiny1のDLC『降り立ちし邪神』にて初登場した存在です。火星の衛星である、フォボスのカバル基地にて最初に存在が確認されました。彼らは明らかに他勢力の形状を有しており、それぞれの個体に新たな能力が付与されています。スロールであれば回避、ファランクスであればあの鬱陶しい吹き飛ばし攻撃です。

 

この宿られた兵達は、ハイヴの邪神オリックスの配下にありました。オリックスが彼らを作り、統制していました。オリックスはもちろん主人公に倒され、ハイヴの玉座空位となります。そして指揮官を失った宿られた兵たちの残党は、各地で放浪するのみとなりました。

 

次の展開があったのはDestiny2、ストライク『影の湖』です。ここでは宿られた兵が水を汚染しているということで対処に当たりますが、ここで「宿られた兵は最近統制が取れている」と語られます。そして先程の「サバスンの歌」と「予想外の客」です。そして孤独と影ではご存知の通り、夢見る都市でのメイン勢力になり、レイドにまで登場します。

 

サバスンって何?

 

宿られた兵の概要が終わったところで、サバスンについて、私が把握している範囲で解説します。

サバスンの正体はDestiny1のグリモア(伝承)、『憂愁の書』に詳しく書かれています。これによると、サバスンはオリックスの妹です。オリックスを中心としたハイヴの兄弟たちは、頻繁に争っていたようです。内輪で殺し合うことによってお互いを磨き上げ、崇拝し合うのだとか。なので純粋な敵対関係かどうかはなんとも言えません。ちなみに何度か兄妹の殺害に成功しているようですが、ハイヴにはいくつも世界があり、死んでも別の世界に行くだけで、厳密には死んでいないようで、その後復活します。

 

彼らは彼らの世界での侵略の過程で、トラベラーの存在を確認しています。ハイヴの本質に関わることなのですが、彼らは基本的に「虫」です。ハイヴの身体の内には虫がおり、ハイヴは虫の飢餓を満たすために光を喰らいます。そしてハイヴは暗黒に親しい存在と言われ、彼らにとって光は邪悪で最も嫌悪すべきものなのだとか。なので彼らにとって、トラベラーは敵。フォールンやカバルは、トラベラーの力を望みますが、ハイヴはトラベラーを破壊し、貪りたいのです。

 

ちなみにこの虫ですが、元々は存在せず、ハイヴは元々ハイヴでは無かったようです。ウォーマインドに登場しました、虫の神ソル。この「虫の神」という存在が彼らと契約したことで、ハイヴは今の姿になり、力を授かったそうです。虫の飢餓はその代償のようです。

 

話がそれたのでサバスンに戻ります。それは互いを憎むという理由ではないにしろ、サバスンはオリックスと争っていました。オリックスは長年「深遠」に関する研究をし、深遠に没頭しました。その深遠に関する事が書かれた石版というのをオリックスは持っていて、サバスンはその石版を奪おうとしていたようです。この石版というのが、宿られた兵と関わりがあるようなので、次項で解説します。

 

オリックスと深遠

 

憂愁の書には度々「深遠」と呼ばれるものが登場します。よく理解が及んでいないのですが、深遠とはおそらく空間です。「天空」というのもよく出てきます。なんでも深遠と天空は長い間均衡を保っていたのだとか。トラベラーは天空の神聖な存在と言われていたので、ガーディアン達がいる世界のことを指すみたいです。この天空に対しての深遠。詳しくはよくわからないのですが、宿りの力はこの深遠に由来しているようです。

オリックスは深遠を長い時間をかけて研究し、深遠に関する知識が記された「破滅の石版」を作ります。これを使えば深遠に入ることが出来、深遠と話す(?)ことが出来、おそらく生物を宿らせる事もできます。

これが、オリックスが宿られた兵の指揮官であった理由です。

 

サバスンの影と宿られた兵

 

これまでの事柄から、サバスンがオリックス玉座を受け継いだ可能性が高いです。そしてその際に、オリックスの破滅の石版を手にし、宿られた兵を操っている可能性も出てきました。であれば状況が大きく変わってきます。前回長々と書いたアハンカーラについての考察ですが、アハンカーラ及びユルドレンが宿られていたという事実。これはサバスンの関与を意味するといえます。アハンカーラの行動がサバスンの意思であったとすると、アハンカーラの最後の望みが動機とは言い切れなくなりました。アハンカーラが倒され、呪いが放出しました。そしてその後毎週進んでいく夢見る都市の状況は悪化するばかり。アウォークンに従い行動をするも、呪いは強さを増す一方で、ゴーストは女王にやや疑いの目を向けていました。

 

グリモアの宿られた兵の項目を読んでいると、必ずしも宿られたことで自我がなくなるとは限らないようなのです。まず基本的に、生物は宿られることである力を得ます。それは生物によって様々です。サイオンは分裂で、バンダルはバリア、というように。一つグリモアの中で、宿られていながら「俺は宿られた」と自分語りを始めるメジャーがいました。更にユルドレンは、宿られていながら、自らが執着する女王の期待に応えるという動機はしっかり持っていましたし、リベンの最後の望みを叶えるという動機も本物のように見えます。しかしそうであるなら、夢見る都市にて宿られていたテクナウィッチの「セディア」「カリ」「シュロ・チー」が我を失い攻撃してくる理由に説明が付きません。何なんでしょうか・・・。

 

オリックスが宿りの力を使用するときは、ある種洗脳のような形で語りかけていました。マインドコントロールであるなら、ユルドレンやリベンはその目的がはっきりしていたために、それが他の人物よりも容易であったという事なのかもしれません。(攻殻機動隊の個別の11人ウィルスのような・・・伝われ!)とはいえ、今の所まだこじつけ感が拭い去れないです。

 

宿られた兵とトラベラー

 

安くなっていたPC版を購入してしまい、改めて孤独と影のストーリーをおさらいしました。そこで、気になったことがあります。

 

ユルドレンは宿られていました。そしてトラベラーの欠片を使い夢見る都市を開放しました。この時トラベラーの欠片が光を発したかと思うと、ユルドレンから宿りの力が吸収され、ユルドレンが元の状態に戻ります。トラベラーの光は宿りの力に効果があるようです。

 

天空と深遠は均衡を保とうとするとのことなので、互いに抵抗し合うのでしょう。

もう一つ気になったことが

 

宿られた兵が存在するロケーションは、地球、イオの2つでした。この2つの共通点がトラベラーであることに気が付きました。地球はご存知トラベラーの欠片がそこら中にあり、イオはトラベラーの聖地で、トラベラーが去った今でも不思議な力が残っているとされます。光のビジョンを受けて訪れたのもイオでした。

 

それに続いて夢見る都市に登場しました。最初はトラベラー関係ないなと思っていたのですが、そういえばユルドレンによりトラベラーの欠片が持ち込まれていました。そのシネマティックを観るまで、この事象を意識していなかったので、見落としている可能性もありますが、このトラベラーの欠片は何故必要だったのでしょう。夢見る都市を開放するために用いられたような状況ではあったのですが、光を喰らうハイヴが関わっていたとなると別の理由があるように思えてなりません。そして夢見る都市にはハイヴも存在していて、ハイヴのトップであるサバスンの関与を一層臭わせています。

 

これ書いていて思いつきました。天空と深遠は均衡を保とうとする。トラベラーの欠片によりユルドレンの宿りの力が吸収された。そしてトラベラーの欠片により都市が開放されたとすると、都市は宿りの力にまつわる技術で封じられていたのかも。テクナウィッチは深遠の知識を持っているようですし、アウォークンによって封じられたとしてもおかしな話ではありません。

 

改めて、孤独と影

 

 前回の記事で、孤独と影というタイトルの、「孤独」は、ユルドレンを指していると同時に、リベンのことを指していたのではないかと書きました。そのうえで、新たな脅威の接近を「影」としたのだと。今回の記事を踏まえると、影とはサバスンの事なのかもしれません。今の所目的ははっきりしませんが、夢見る都市で何かが起ころうとしています。呪いは強さを増すばかりです。

 

この構図には驚きです。夢見る都市が明らかになるまで、ユルドレンの奔走かと思われましたが、実際はアウォークンの問題にヴァンガードを巻き込み、最後の望みを果たそうと目論むリベンがユルドレンを利用したという構図でした。そしてうまくユルドレンを扱うことで目的を達成したリベンもまた、サバスンに利用されていた可能性があるわけです。この3弾構造には驚きです。原題では『Forsaken』ですが、『孤独と影』という邦題がこれらを踏まえた上でつけられていたとすると、ローカライズ担当も考えましたね・・・。