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Destiny 2 - 庭師と農家 ―トラベラーの正体に一歩近づく 考察

とんでもない事が分かりました。

 影の砦が始まってから毎週貰える新たな伝承『発見』についてです。とんでもない話ですよ。D2始まって以来最も核心に迫る伝承かも知れません。頑張って解説します。 

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経緯のおさらい

簡単に流れを復習しましょう。エリスは月でピラミッドの一つを発見しました。同時にハイヴによる真紅の砦が発見され関与が疑われますが、実際はピラミッドとハイヴは無関係。ピラミッドが起こしていると思われる悪夢の影響をハイヴは受けず、それどころかそれを利用しようとしていました。ハイヴへの対処をしつつピラミッドを調べるため内部に侵入し探索すると、祭壇のような場所に置かれていたアーティファクトを発見します。それに触れるとガーディアンはガーデンの中で救済者を名乗る存在と出会いました。アーティファクトを持ち帰りエリスに手渡すと、毎週アーティファクトにこの『発見』が届くようになります。

 

『発見』は状況的に救済者が書いていると思われます。それはガーディアンに語りかけるような口調で始まり、恐らくはブラックガーデンで起こったことをガーディアンに伝えています。以降その内容をまとめます。 

要約

昔、時間が生まれる前の庭園に庭師と農家がいました。彼らは生物ではなく、あらゆる可能性を持つ存在そのものでした。つまり我々人間のように形のある存在ではなく、ただ存在していただけでした。ピンと来ませんが、ナインのように実態を持たない意識そのものでしょう。

伝承の中にこのような一文があります「原初的な胚が今の形に至るまでの系譜を巡ろうとするならば、最終的にはこの庭園に行き着くはずだ。」胚とは成長または進化の初期段階の生物のことです。彼らのような存在が語る胚は、つまり人類と捉えることも出来ます。我々現実の人類が遺伝子を辿ると1人の女性に辿り着くように、この世界ではガーデンが生命の根源ということなのでしょう。

一日の中で庭師が作物を植え、農家が収穫し選別しました。ある時から彼らはあるゲームに興ずるようになります。フラワーゲームと呼ばれるそれは、非常にシンプルなルールを持った盤面でのゲームです。あるマスには既に花があり、一定の条件で枯れたり増えたりする条件で一本だけ花を植えその行く末を見るゲームでした。限りない運ゲーで、花は永遠に咲き続ける可能性を秘めながら、毎回全滅して終わりました。庭師はこの状況に憤り、つまらないと言ってルールを変えようと試みました。農家はそれを「美しい」と考え、庭師と対立しました。そして2者はガーデンの中で争います。その激しい闘争により時間が生じ、ビッグバンへと繋がりました。

とんでもない事ですよこれは・・・。つまりガーディアンが住む地球、太陽系、銀河、宇宙はブラックガーデンから生じたのです。それもガーデンにあった二つの存在、庭師と農家から。この伝承はまさに神話であり、庭師と農家は創造主と言っても差し支えありません。

 

フラワーゲームとルール変更

上記で触れていますがフラワーゲームはかなり重要な気がするのでここでもっと突っ込みます。

ルール1。生きている花の隣に、生きている花が1本以下しかない場合、その花は枯れる。

ルール2。生きている花の隣に、生きている花が2本ないし3本ある場合、その花は生き続ける。

ルール3。生きている花の隣に、生きている花が4本以上ある場合、それぞれに必要な栄養が足らず、その花は枯れる。

ルール4。死んだ花の隣に、生きている花が3本ある場合、その花は再生し生き続ける。

 というルールを備えていて、プレイヤー、つまり庭師と農家がプレイするのは最初の一手のみです。最初に植えた花から後の展開は全て、自動的に、というか自然に既にあった花との関係によって枯れるか拡大するかが決定されるのです。しかしこのゲームは、最終的に必ず花が絶滅してしまうといいます。庭師はこの結果が気に食わなくてしょうがなく、これを変えようと考えたのです。これを機に起こったのが上述のガーデンでの争いです。

庭師が提唱した新ルールが以下です。

「特別な、新しいルールだ。そうだな…」庭師が憤りのあまり手をあげた。「どうだろう。新たな複雑さを生み出したものに報酬を与えるとか。異教から力を得るものに力を与えるような、決まりきった形から逸脱させてくれるものがいい。常にどこかで新しいものが生まれていることを保証するものだ。他のルールから独立して、干渉しないものがいい。何よりも、ゲームそのものを阻害しないよう、気をつけなければならない…」

湧き起る混乱と怒りと共に私は言った。そんなことをしても、結局は全てを飲み込むパターンの発生を少し遅らせるだけだと。これは避けられないことだ。最終形は不変だ。

「いや、変わるはずだ。全てが変わる、見えるもの全てが」

全て同じだ。新しいルールを作ろうとも、存在する資格もなく存在することにも耐えられないものたちが、蠢く恐怖の嚢胞を生み出し、水泡が周囲を腐らせ、破裂すれば庭園全体を病で冒すだろう。全てのものは存在しなければならないから存在するのであり、他のいかなる形での存在の仕方を許容せず確固たる存在を築くのである。これは唯一絶対の理だ。

「違う」と庭師は答えた。「私こそが複雑さを成長させ、維持させるのだ。私自身をゲームの理に組み込んでみせる」

 デッテニー伝承特有の言い回しでちょっと分かりにくいのですが頑張って解説してみます。

本来のフラワーゲームでは、花には「咲く」「枯れる」の二つの展開があります。花は庭師と農家の最初の一手によって、咲くか枯れるかの単純な運命しか持ち合わせていません。ゲームの結果は「終焉」しかありません。何故なら「永遠」は結果ではないからです。なので花にとって、絶滅するのは抗いようのない運命であるわけです。庭師はこれが気に入らないようで、上記のルールを追加しようと提案しました。分かりにくいのですが、庭師が自らゲームに参加し、複雑さを成長、つまり「咲く」「枯れる」とか「永遠」「終焉」以外の展開を作ろうとしたのです。この話を一旦置いておきます。後で触れます。

庭師と農家

庭師と農家の争いによってガーデンが荒らされると、そこで時間が生じ始め、やがてビッグバンへと繋がりました。つまり宇宙はガーデンから生じました。トラベラーとピラミッドの衝突によりディストリビュータリーが生じたように。争いは結果的に農家が勝利しますがルール変更は達成されます。そして戦いの後、フラワーゲームの花々は銀河へと逃げていきました。

ここで私の解釈です。庭師はルール変更を達成した事で自らを、そして恐らく農家もがフラワーゲームの当事者となります。単刀直入ですが、このフラワーゲームの花こそが生命です。つまりガーディアンが属している地球の人類であり、カバルであり、ハイヴなのです。

お気づきの方もいると思います。

ルールを変えて自らをゲームに組み込み、花(生命)に手を貸し複雑さを成長させる存在。

トラベラーです。

厳密に言えば恐らくトラベラーを作った存在が庭師です。

そしてこの庭師と敵対し、本来のルール通りの展開を作ろうと目論む存在。トラベラーを追いかけ大崩壊をもたらしたのはピラミッド、つまり救済者です。状況や語り口からして、農家と救済者は同一人物だと思われます。

トラベラーの正体に一歩近づいたと思います。

ちなみに真意は分かりませんが、生物が急激に進化をした「カンブリア爆発」は農家が起こしたと語られています。これがルール変更によってゲームに組み込まれた農家が意図的に起こしたことなのか、争いによって花々が逃げた事が起因しているという意味かなんとも言えません。

 救済

 農家=救済者である可能性が高いと分かったので、救済者と今の状況について掘ります。何が救済なのか。救済者は光から人類を救おうとしています。これは救済者、つまり農家がフラワーゲームの終焉を尊んだように、本来のフラワーゲームの展開通り、花が運命に従って存在する事を重要視しているからです。農家にとってフラワーゲームの展開は尊いもので、彼にとって人類は庭師の手を借りずに「ただ存在すべき」なのです。庭師の手から解放する事が救済なのです。 

 まとめ

 農家は作物を植え、成長を見守ります。庭師は植物を自分の手で管理し、本来あるべき自然の姿を変化させます。考えてみればこの二者の名前から存在意義は明らかです。

Destinyの宇宙はフラワーゲームなのです。単純なルールに基づいて咲くか枯れるかが決まり、やがて終焉が訪れます。ナインやカルス皇帝が予期した終焉はもう迫っているといいます。農家が理想とするフラワーゲームの結果です。庭師、つまりトラベラー側の存在は終焉という運命(Destiny)に抗う力を花に与えています。一部の勢力が人類と協調する兆しを見せている中、迫る終焉と救済者。我ら花々は自らの力で終焉に抗う事が出来るのでしょうか。恐らく従来通りの展開では人類は勝つことが出来ません。我々は力を合わせて運命に抗い、時の終わりまで人類を守護するのです!!

庭師は必ず平和を求めて動きを止めるので、勝つことができた。相手が動きを止めようとも、私は止まらないからだ。

 『発見』はまだ完結していないので、今後も面白そうな内容があればやります。

また光と暗黒、天空と深遠についてはまだ詳細は分かりません。ピラミッド内部や救済の庭園奥にあった像などもまだ分かりません。更にベックスについてもです。ガーデンから宇宙が生じたとなると、そこを管理しているベックスはとんでもない存在です。農家がベックスを作った可能性がまた浮上してきました。これについても今後注意しておきたいです。

これらの考察は作中の文面から分かる限りの事ではなく、私の解釈による想像の結果です。今後手に入る情報によってこれらの考察が全部ひっくり返る可能性が十分にあるのでその点ご了承ください。

読んで頂いてありがとうございました。